高橋しんすけ議員報告 HOMEデータバンク平成11年 第2回 定例会〜議事録


平成11年 第2回 定例会 (6月) 枚方市議会会議録(4p)
平成11年(99年)6月8日 中司宏市長 所信表明


*文中グリーンのインデックスはHP用に追加したものです

* 私の判断で、ここはポイントと思うところは赤字にしております。

★ はじめに

★ 状況と課題

★ 具体化のための施策
人間愛をはぐくむ施策 〜 1.少子・高齢社会への対応、福祉・保険・医療の充実
人間愛をはぐくむ施策 〜 2.平和を愛し、人権を尊重し、交流し合うまちづくり
人間愛をはぐくむ施策 〜 3.教育・文化・スポーツの振興、充実
人間愛をはぐくむ施策 〜 4.安心して暮らせるまちづくり

自然愛をはぐくむ施策 〜 1.環境保全都市
自然愛をはぐくむ施策 〜 2.循環型の社会システム
自然愛をはぐくむ施策 〜 3.自然と共生するまちづくり

郷土愛をはぐくむ施策 〜 1.都市基盤整備
郷土愛をはぐくむ施策 〜 2.商工業の活性化
郷土愛をはぐくむ施策 〜 3.学園都市構想
郷土愛をはぐくむ施策 〜 4.歴史・文化、観光の振興
郷土愛をはぐくむ施策 〜 5.地域自治の振興

★ 施策推進のための市政運営の条件整備
1. 情報提供
2. 職員の意識改革と組織改革
3. 総合的・計画的な施策展開




★ はじめに

本日、選挙後初めての定例市議会におきまして、今後の市政運営に対する私の所信を表明する機会を与えていただき、誠にありがとうございます。

このたびの選挙は、21世紀への懸け橋となる大切な節目に、枚方市の進路を選択する重要な意義を持つ選挙でありました。その中で、私は、これまでの4年間にまいてきたまちづくりの種を次の4年間で大きく育て、「心ときめく枚方」を実現させたいと訴え、市民の皆様の温かい御支持を得て、引き続き枚方市政を担当さしていただくことになりました。

これからの4年間、1期目の実績と経験に学ぶとともに、常に幅広い市民の立場に立つという所信を忘れず、清潔、信頼、構成を基本に、40万市民とともに郷土枚方の新時代を築いていくため、強い意思と情熱を持って全力で市政運営に当たる決意であります。

どうか、皆様の温かい御支援、御協力をよろしくお願い申し上げます。 

back



★ 状況と課題

初めに、本市を取り巻く状況と課題を申し述べます。

日本経済は、国が総合経済対策を進めているものの、依然として個人消費に回復の兆しが見えず、企業の倒産やリストラなど先行きに不安を抱えています。こうした中で、地方財政は、これまでに体験したことのない厳しい状況にあり、東京、大阪、神奈川など大都市圏の地方自治体を中心に財政再建が急務となっており、大阪府でも市町村に大きな影響を及ぼす財政再建プログラムが実施に移されました。

本市においても、普通会計の実質赤字額が平成9年度決算で17億円強に達し、全国の地方自治体の中でも極めて厳しい財政状況にあります。そこで、平成9年を行革元年と位置付け、行財政改革を進めてきましたが、歳入面では、根幹となる市税収入が特別減税や長引く不況の影響によって大幅に落ち込み、平成11年度以降も恒久的減税による影響などから回復が期待できない上、歳出面では1100億円を超える市債による公債費、そして人件費及び扶助費などの義務的経費を初めとする経常経費が増大し、慢性的な歳出超過に陥っています。こうした硬直的な財政構造の改革、財政再建は緊急の課題であり、財政健全化計画を見直すとともに、あらゆる分野で早急に行財政改革を徹底する必要に迫られています。

地球環境保全については、オゾン層の破壊を初め酸性雨などの大気汚染や海洋汚染、森林破壊、ダイオキシン汚染など解決すべき多くの課題を抱えています。かけ替えのない地球を守り、子どもたちに引き継いでいくには、国際社会が協力することはもちろん、私たち一人一人が地球規模で考え、地域で行動することが大切であります。これまでの産業の在り方、市民自らの意識や生活スタイルを変革するとともに、まちづくりを進めていく上では、自然との共生を目指し、環境に十分配慮しなければなりません。

具体的には、貴重な里山や淀川などの自然環境を保全、回復するとともに、省エネルギーや資源の有効利用など環境に優しい循環型社会を構築すること、特に本市では、ごみ問題の解決が大きな課題であり、市民とともに徹底したごみの減量と再資源化に努め、焼却ごみの半減を目指しています。

環境保全に関連して、ここで特に、本市東部地域のまちづくりの考え方を明確にいたします。東部地域の里山などの自然は、本市の貴重な財産として保全していくことが課題でしたが、具体的な取組が遅れ、環境悪化が進んできました。一方、第二京阪道路、第二名神自動車道の建設やJR東西線の開通によって広域的な交通軸が大きく変化し、東部地域の開発需要が高まってくる中、自然を守る重要性は一段と増してきています。そこで、東部地域を緑豊かで潤いのある快適空間を実現する重要な地域として位置付け、人々が自然と共生し、安心して「住み」「学び」「憩う」ことのできるまちづくりを計画的に進めていく必要があります。

国会では、地方分権関連法案が審議されており、可決されれば来年4月から順次施行されます。地方分権時代を迎え、地方自治体では、これまで以上に自主的にまちづくりを進める責任が生じてきます。こうした地方分権の流れの中で、40万人の人口を擁する京阪奈の中核的都市として、地理的条件や歴史的背景に恵まれた本市の持つ可能性を十分に引き出し、伸ばしていくことが大きな課題であります。そのため、本市の政策形成能力や自治能力の一段の向上を図るとともに、行政と市民との役割分担を明確にし、行政と市民、市民と市民が同じ方向を向いて支え合い、助け合うパートナーシップを築かなければなりません。

このほか、急速に進む少子・高齢社会への着実な対応や心の教育を中心とする教育改革など、引き続き力を注いでいくべき課題が多く残されています。

今まさに、明治維新や戦後の変動期に匹敵する大きな節目の時代を迎え、これまでの社会システムや行政システム、市民意識や生活の在り方などすべてにわたって総決算を行い、前に向かって変革していくこと、とりわけ高度経済成長時代、バブル景気時代など過去半世紀にわたって物の豊かさを追い求めてきた社会風潮から、心の豊かさを求める社会へと人々の価値観を変革し、そして本当の豊かさを目指すまちづくりのシステムを構築することが求められています。

右肩上がりの経済成長は終えんし、もはや市民サービスのすべてを行政が提供できる時代ではなくなりました。私は、この大きな変化を踏まえ、山積する課題を解決していくためにも、行政が市民への説明責任を十分に果たし、情報公開、市民参加を一層促進するとともに、行政と市民とのパートナーシップを通じて相互信頼を確かなものにし、市政運営や市民生活のさまざまな場面で愛と心のきずなを深めながら、人間、自然、郷土、そして地球を大切にする施策を重点的に選択し、着実に実行していきます。

道のりは決して平坦ではありませんが、時代の変革期の多くの難関を乗り越え、枚方市の21世紀を切り開いていくため、「21世紀は心の時代」を合言葉に、人と人とが支え合い、助け合う、とぬくもりに満ちたまちづくりを進める「人間」、自然を大切に、地球環境に優しい心豊かなまちづくりを進める「自然」、ふるさと枚方に愛着と誇りが持てる、活力あるまちづくりを進める「郷土」を3つの基本理念として、「心ときめく枚方」を実現していきます。

21世紀を2年後に迎え、世界各地で新たな世紀を迎える準備が進められています。本市におきましても、市民の皆様とともに、20世紀を振り返り、新世紀が相互理解に根ざし、と信頼に満ちた平和で心豊かな希望の世紀となることを願って「21世紀かけ橋事業」に取り組み、21世紀のまちづくりを考える機会にしていきます。

今、申し述べました3つの基本理念を具体化するために、次の主要施策を推進します。

back



★ 具体化のための施策

人間愛をはぐくむ施策 〜 1. 少子・高齢社会への対応、福祉・保険・医療の充実

まず、人間愛をはぐくむ施策として、次の4点を基本にいたします。

第1に、子供からお年寄りまで誰もが住み慣れた地域で安心して生活できるよう少子・高齢社会への着実な対応と、福祉、保険、医療の充実に努めます。

高齢者福祉については、これまでホームヘルプサービスの充実はデイサービスセンターの整備を行うなど高齢者保険福祉計画を進めてきましたが、平成12年度からスタートする介護保険を円滑に実施するため、組織と人員体制の強化を行い、要介護認定の体制の確立や介護保険事業計画の策定など準備に万全を期します。

障害者福祉については、障害者が自立した生活を営み、社会参加できるよう、グループホームの整備支援やショートステイの充実など、障害者基本計画に基づく施策を進めるとともに、精神保健福祉法などの改正の動向を踏まえ、在宅精神障害者福祉への取り組みを検討します。

少子化、核家族化の中で、安心して子供を産み、育てることができる環境を整備するため、子ども育成計画に基づき、保育所機能の拡充など子育て支援の施策を進めます。

地域医療や市民の健康づくりの充実については、クラボウ跡地への移転が決まった関西医科大学病院に整備される第三次救命救急センターの早期実現を働きかけます。

市民病院については、小児科救急医療を充実するとともに、安心できる地域医療体制を目指して、将来構想を明らかにします。

幼児療育園の建て替えについては、障害別の施策体系を見直し、障害児の療育体制を充実させるため、総合施設の整備を行います。

back


人間愛をはぐくむ施策 〜 2.平和を愛し、人権を尊重し、交流し合うまちづくり

第2に、すべての人が平和を愛し、互いの人権を尊重し、交流し合うまちづくりを進めます。

あらゆる差別をなくす取り組みを推進し、人権擁護と人権意識の高揚を図るとともに、男女共同参画社会の一層の推進を目指して女性施策行動計画を改定します。

平和の礎を確かなものにしていくため、国や民族の歴史、文化の違いを認めあい、心と心のつながりと相互理解を大切にする交流や地域活動を支援します。

また、国際友好都市である中国・上海市長寧区、オーストラリア・ローガン市との市民レベルの多様な交流を支援するとともに、百済寺跡や伝王仁墓を巡る交流の輪を拡大します。

これまで築き上げてきた高知県中村市、北海道別海町、香川県塩江町、沖縄県名護市など国内友好都市との友好関係をより一層発展させるとともに、七夕伝説を共有する奈良県天川村、くらわんか茶わんのふるさと長崎県波佐見町、農産物販売などの交流を行ってきた北海道大滝村などと市民交流関係を築きます。特に、主要先進国首脳会議が開催される名護市との交流については、国際平和を考える契機にしていきます。

back


人間愛をはぐくむ施策 〜 3.教育・文化・スポーツの振興、充実

第3に、21世紀を担う幅広い人材を育て、誰もがいつでも学ぶことのできる生涯学習のまちづくりを目指し、教育、文化、スポーツの振興、充実に取り組みます。

子どもたちを巻き込んだ痛ましい事件が続発し、小学校の学級崩壊などがクローズアップされていますが、今日の青少年問題には、高度経済成長やバブル経済に浸る中で、物やお金の豊かさを追い求め、心の豊かさを置き去りにしてきた社会風潮が反映されています。そして、学校教育においても、学力重視の知識偏重教育ではなく、これまでの枠にとらわれない広い視野からの教育改革が求められています。

そこで、学校教育の分野では、教育委員会と協力して、子どもたちが一人一人の個性を生かし、創造性をはぐくむとともに、福祉教育や環境教育、そしてボランティア活動などのさまざまな体験を通じて命の大切さを学び、目標に向かって努力し、情操を高めることのできるよう「心を育てる教育」に取り組み、人々が互いに助け合い、支え合う心豊かな地域社会の実現につないでいきたいと考えています。

また、国際理解教育やコンピューター教育を推進し、老朽化した校舎の改修など学校施設を改善します。

学校規模の適正化については、学校教育の充実を基本に、地域社会への影響も配慮するなど多面的な角度から取り組む必要があると考えています。

社会教育の環境整備では、(仮称)南部市民センターの建設、図書館コンピューターネットワークの整備、王仁公園プールのリニューアルや陸上競技場の充実に着手します。また、総合文化会館については、早期建設に向けて民間活力の導入など新たな整備手法も含めた再検討を行う一方、文化振興事業団の支援や市民大学講座の充実など市民が身近に文化、スポーツと触れ合い、親しむことができるよう条件整備に努めます。

back


人間愛をはぐくむ施策 〜 4.安心して暮らせるまちづくり

第4に、災害、事故、犯罪に備えた安心して暮らせるまちづくりを進めます。

災害への備えでは、阪神・淡路大震災の教訓を忘れることなく、地域に自主防災組織の育成やライフラインとして重要な上水道施設の耐震性強化など、地域防災計画に基づく施策を推進し、国・府や関係自治体と協力して広域的な防災への取り組みを進めるとともに、枚方東消防署(仮称)北山出張所を整備し、氷室出張所に高規格救急車を配置するなど消防・救急体制を強化します。

また、犯罪に備えのある安全な町を目指して、生活安全条例に基づいて行政、市民が一帯となって地域安全活動を推進し、全国一の管内人口を擁する枚方警察署を2署体制に拡充するよう積極的に関係機関に働きかけます。

back


自然愛をはぐくむ施策 〜 1.環境保全都市

自然愛をはぐくむ施策では、次の3点を基本にいたします。

第1に、自然を大切にし、地球に優しいまちづくりを進めるため、市民一人一人が環境に目覚めた「環境保全都市」を目指します。

具体的には、地球温暖化防止行動計画の策定、公共施設のエコオフィス化や公用車への低公害・省エネルギー車の導入、ISO14001認証取得の準備などを行い、庁内ごみの半減化を図ります。

また、環境基本計画を策定し、市民、事業者、行政がともに環境保全に取り組む環境ネットワーク会議を設置します。

河川にきれいな水を取り戻すため、公共下水道の整備を促進するとともに、浸水地域の解消に向けて雨水管や排水路の整備を進めます。また、市民が水辺で憩える親水空間として、引き続き水面廻廊の整備を進めると同時に、淀川河川公園や天の川環境整備事業、穂谷川ふるさとの川整備事業の促進を国・府に働きかけます。

ダイオキシン問題への対応では、市民の安全を守るため、待機調査に加えて穂谷川清掃工場周辺や氷室地域で土壌調査を行い、モニターを続けて行きます。

back


自然愛をはぐくむ施策 〜 2.循環型の社会システム

第2に、生産、消費、排出、再資源化の循環型の社会システムが根づく環境に優しいまちづくりを目指し、焼却ごみの半減を目標に定め、市民の協力のもとリデュース・減量、リユース・再使用、リサイクル・再利用を基本に、全市的な「ごみ減量作戦」を展開します。その具体策として、ペットボトルや空き缶回収の強化、古紙の未回収地域の解消、事業系ごみの減量、家庭用・事業用生ごみ処理機の普及促進、減量推進体制の充実などに取り組みます。ごみの減量と再資源化のためのリサイクルプラザを建設するとともに、樹木の剪定枝の堆肥化、チップ化の施設を整備し、市内利用の促進を図ります。また、行政、市民、事業者が一体となってごみ問題のシンポジウムを開催し、大量消費、使い捨ての生活や企業活動などの在り方を見直し、将来的にごみを燃やさない循環型社会を築いていくことを考える契機にしていきます。

また、ごみや廃棄自動車の不法投棄についても、防止対策を検討します。

第2清掃工場については、建設をお願いしている地域の住民が将来にわたって安心して住み続けることができるようダイオキシンや排気ガスの対策を徹底し、環境に与える影響を最小限にするため世界最高水準に施設整備を行います。焼却炉についても、こうした観点に立って再検討します。施設については、周辺環境に調和したものとし、稼働後は安全性の確保に万全を期し、測定データなどの情報公開を行います。

元下水汚泥処分地については、覆土部分のPCBなどは技術の開発を待って、将来、無毒化に向けて取り組むこととし、当面の措置として表流水対策や飛散防止対策などの工事を行います。また、元下水汚泥処分地の地下水問題などについては、恒久的対策を含めて調査を行い対処することとし、今後、市として責任を持って管理し、安全確保に努めます。

東部地域にある民間の産業廃棄物処理場については、地域環境の改善に向けて指導を強化するなど、関係機関と協議しながら対応していきます。

back


自然愛をはぐくむ施策 〜 3.自然と共生するまちづくり

第3に、里山の緑や希少動植物などを大切にし、自然と共生するまちづくりを進めます。

緑地の保全、整備については、緑の基本計画に基づく施策を進め、元(仮称)第33小学校予定用地を記念樹の森として整備します。東部地域の里山などについては、市民参加で具体的な保全手法を追及し、里山保全構想を策定します。交北公園では、雨水を有効利用したメダカのすむ多自然池や散水施設を整備します。また、淀川の自然環境を大切にすると同時に、市内のホタルの生息する水辺空間の保全にも取り組みます。

市内全域に豊かな緑をはぐくむため、過程での生け垣緑化を支援し、子どもたちが身近な場で自然との触れ合いを通じて情操を高めることができるよう環境教育の生きた教材にもなる学校ビオトープ池の整備を検討します。

さらに、緑地空間、防災空間としても大切な田や畑を守るため、地元農産物の学校給食への活用促進や市民農園の拡充、学校菜園など学校や地域で子どもたちが農作物を作り、土に親しむことができる環境づくりや、市内の産品を市内で消費する循環型システムを作り、人々の生活スタイルや意識改革にも役立てるなど循環型社会の構築を基本に、環境や緑を保全する多様な施策を進めます。

back


郷土愛をはぐくむ施策 〜 1.都市基盤整備

郷土愛をはぐくむ施策では、次の5点を基本に取り組みます。

第1に、40万都市にふさわしい、また、21世紀の枚方の未来と快適な暮らしを支える道路などの都市基盤を整備し、交通渋滞の解消に努めます。都市基盤整備に当たっては、環境に配慮し、長期的視点に立って、計画的に進めていきます。

京阪牧野駅やJR長尾駅など各駅前については、交通結節点としての機能向上と安全性の確保に努めます。枚方市駅周辺地域では、混雑の著しい府道京都守口線や枚方中宮線の拡幅、枚方市駅に停車する特急の増便や関西国際空港へのリムジンバスの増発を働きかけるほか、都市型ホテルの誘致など都市機能や生活環境の向上に努めると同時に、魅力ある市街地への再形成を進める中心市街地活性化事業を検討します。

第二京阪道路や第二名神自動車道については、環境対策や関連地域整備を図りながら建設を進めるよう国や大阪府に働きかけるとともに、枚方東部線から枚方藤阪線、第二京阪道路への連絡機能を高め、交通渋滞の解消に努めます。

地域幹線道路については、都市計画道路枚方藤阪線、牧野長尾線、楠葉中宮線、長尾春日線など市内の東西・南北地域を結ぶ道路の整備を促進します。また、大阪府に対し、都市計画道路枚方津田線、府小津杉田口禁野線、交野久御山線、枚方高槻線の整備拡幅及び渚内野地区と高槻市を結ぶ淀川新大橋の早期建設を積極的に働きかけます。

また、交差点の改良など安全対策を行い、緊急性の高い生活道路を整備するなど、道路交通問題の解消に努力します。地球温暖化防止の見地から、バス優先信号の導入などバス利用促進対策とバス路線の拡充を関係機関に働きかける一方、公共交通の利用を啓発し、ノーマイカー運動を広げていきます。また、環境負荷の提言やバリアフリー化など快適なまちづくりへの可能性を広げる新たな交通システムの研究を進めます。

本市東部地域については、これまで都市基盤整備が遅れ、里山など豊かな自然を保護する取り組みが十分でなかったとの反省の上に立って、まちづくりを促進するために必要な基金を積み立て、地域住民の声を聞きながら、ふさわしいまちづくりの構想の策定と実現に着手します。都市基盤整備では、枚方東部線、穂谷狭戸線の整備や穂谷川の改修と国道307号の歩道設置を進め、公共下水道中部汚水幹線を整備します。また、関西文化学術研究都市への研究施設などの立地促進を関係機関に働きかけます。

斎場については、新たな計画のもとに実現を目指します。

back


郷土愛をはぐくむ施策 〜 2.商工業の活性化

第2に、商工業関係者・団体との対話を深め、連携を図りながら、地元の産業を大切にする活気あふれるまちづくりを進めます。

商工業の活性化については、これまでの地域の社会資源の活用や企業体質の強化支援に取り組んできましたが、市内事業者への波及効果を目指して、市内の生産品、販売品の活用を進める循環型の産業振興に重点的に取り組み、自立したまちづくりを進めるとともに、小規模事業者にも配慮した商業振興策を検討します。

民間活力の活用による社会資本整備を誘導するとともに、文化、観光を通じた新たな産業振興を促進し、活気と魅力のある町おこしを行います。

勤労者の福祉の向上を目指し、勤労市民互助会など関係団体との連携を強化します。

不況による失業の増加を受けて、国では各省庁や地方自治体の新たな業務を民間に発注し、雇用を創出する臨時措置が検討されています。こうした国の動向を見きわめながら市内の経済・労働関係団体などとも連携し、雇用の拡大に向けた取り組みを検討します。

back


郷土愛をはぐくむ施策 〜 3.学園都市構想

第3に、市内にある大学のすぐれた機能や学生の持つ活力をまちづくりや市内経済の活性化に生かす学園都市構想を促進します。

市内には6つの大学があり、2万人の学生が通っています。将来の人口減少が確実な少子・高齢社会を見据えるとき、学生が単に学ぶだけの町にとどまらず、多くの学生が住み、活動し、交流するにぎわいと活気にあふれるまちづくりを進めることがますます重要になってきます。大学の持つ人材、施設などのすぐれた機能を経済振興やまちづくりのさまざまな分野に活用するとともに、生涯学習や文化、スポーツの振興を通じて心の豊かさをはぐくむことが、21世紀の魅力ある枚方の実現にも大きな役割を果たします。こうした視点から、市立図書館と大学図書館の連携による図書館サービスの充実や大学施設の市民開放などにとどまらず、大学と行政、市民、事業者が連携する多様な施策展開を図ってまいります。

また、市内の高等学校とも連携し、高校生の声を生かした新たな施策やまちづくりに取り組みます。

back


郷土愛をはぐくむ施策 〜 4.歴史・文化、観光の振興

第4に、枚方に残されている貴重な歴史、文化の資源や伝承、祭りなどを継承、発展させ、文化、観光の振興を通じて、郷土愛をはぐくむ夢と魅力あるまちづくりを進めます。

具体的には、夏の風物詩として親しまれている枚方まつり、天の川七夕星まつりや地域の祭りの充実、発展について、関係者と協議し、祭りを生かした文化の創造に努めます。また、伝王仁墓にちなんで「漢字の故郷・枚方」を発信するイベントを実施するほか、市民にもアイデアを募集して、淀川の夕日などのすぐれた風景や枚方にちなむ歴史的人物や詩歌を再発見するなどさまざまな分野で、全国に誇り、発信する市民参加の21世紀かけ橋事業に取り組みます。

鍵屋の保存、活用による枚方宿資料館の整備事業を継続し、国の特別史跡百済寺跡にスポットを充てるなど、貴重な文化財や由緒ある建物の保全、活用を進めます。同時に、旧京街道を整備し、淀川舟運の復活、歴史的町並みの整備に取り組むなど歴史街道モデル事業計画を促進し、枚方文化観光協会と協力して、旧枚方宿を東海道の56番目の宿場町として、全国に発信していきます。

また、菊人形サミットを継続し、伝統ある菊人形の発展や菊師のすぐれたわざの継承とあわせて市の花である菊の普及を支援します。

枚方の魅力を高める取り組みの一環として、市民、事業者などと協力し、ポイ捨てや不法広告、ペット公害のないまちづくりを進めます。

back


郷土愛をはぐくむ施策 〜 5.地域自治の振興

第5に、地域自治の振興に努めます。

市民が地域社会の行事や交流などを通じて相互の連帯を深め、青少年育成や福祉活動、万一の災害に備える自主防災活動など地域活動が活発に行えるように小学校の余裕教室を地域に解放するなどの条件整備を進めます。

福祉や環境、ごみ減量や防災、防犯など多くの面で地域コミュニティーの果たす役割が高まっており、人と人との支え合い、助け合いのネットワーク作りが推進できるよう、各種団体との連携のもとに地域コミュニティーの活動を支援します。

また、市民自治を高めるためNPOや市民のボランティア活動を振興する条件整備に努めます。

back



★ 施策推進のための市政運営の条件整備

次に、主要施策を推進していく上で必要になる市政運営の条件整備について、申し述べます。

市政運営の条件整備の基本は、清潔で市民に信頼される公正な市政運営であり、市民参加を促進し、地方分権時代を担い得る開かれた市政推進体制を確立することであります。そのため、市民参加の前提となる情報公開や地域情報化を促進し、市民への説明責任を果たし得る政策能力を備えた21世紀にふさわしい市役所づくりを進めます。

back


1. 情報提供

第1に、市政情報・医療保険福祉情報・学校教育支援情報システムなど情報ネットワークを構築し、CATV、FM放送、電話、ファクス、インターネットなど多様なメディアを活用した情報提供を進めるなど、市民参加の前提となる情報提供の一層の充実に努めます。同時に、情報ネットワークを活用する総合窓口制度の導入を検討し、市民サービスの向上を目指します。

また、(仮称)南部市民センターの設計にワークショップ方式を活用するなど、さまざまな手法による市民参加を促進する一方、市民の声を広く市政に生かすため、広聴機能を充実させます。

back


2. 職員の意識改革と組織改革

第2に、地方分権が本格化する中で、政策形成能力を備えた簡素で効率的な働く市役所づくりを目指し、職員の意識改革と組織改革の両面から取り組みます。

このため、職員研修を充実し、国や大阪府など外部との人材交流を進めます。また、「ぬるま湯体質」、「縦割りの弊害」との指摘を受けることのないよう、職員の勤労意欲を高め、緊張感のある職場づくりを行うため、管理職については、能力と実績が昇格や給与などに反映できるよう、実績評価制度や管理職任用制度など考課制度を改善します。一方、職員がさまざまな仕事を体験し、キャリアアップできるようジョブローテーションを進めるなど、庁内を活性化する人事管理を進めます。

組織面では、地方分権の新たな制度である特例市の指定を受ける規準を進めるとともに、職員の公募によるプロジェクトチームを活用するなど、新たな行政課題を遂行し得る組織体制の確立を図ります。

一方、地方分権時代には、市が主体性を保ちつつ、国・大阪府など関係機関や近隣自治体を初め、民間企業やNPOも含め、意思疎通を図り、連携してまちづくりを進めていくことが一層重要となってきます。これまで府県境を越えて京阪奈近隣都市サミットを組織化し、淀川対岸の高槻市や摂津市など淀川中流域5市のネットワーク化にも取り組むなど広域連携をスタートさせてきましたが、今後、広域的な連携をさらに強化し、防災、環境、福祉、医療などの分野も視野に入れて、まちづくりの共通課題の解決に役立てていきたいと考えています。また、国や大阪府との関係についても、淀川新大橋や幹線道路のネットワーク化など社会資本の整備を初め、本市の課題解決に向けてより一層連携を強化していきます。

地方分権時代に大切なことは、独自のまちづくりを進め得る財政基盤を確立することであります。本市の財政は非常に厳しく、新たな施策展開や行政水準の維持が困難になってきています。こうした事態を打開するため、行政の内部努力を最優先に、市民にも理解を求めながら行財政改革を推進し、民間委託など民間活力の導入による行政執行の効率化を図るとともに、事務事業再構築プランの進行管理と人員配置の見直しを通じ、職員定数の10%削減を目指すなど人件費を縮減し、財政再建に努めます。

さらに、多種多様な市民サービスや事業が効率的でバランスのとれたものになるよう行政評価システムを導入し、行財政改革に生かすとともに、PFIなど新たな手法を導入し、まちづくりに生かしていきます。

危機管理については、災害時にとどまらず、市民生活や行政運営のさまざまな場面で生じる緊急な事態や問題に的確に対応できるよう努めます。

back


3. 総合的・計画的な施策展開

第3に、新たな総合計画を策定する中で、郷土枚方の新時代建設に向けた町の将来像とまちづくりの指針を明らかにし、長期的展望に立って、総合的、計画的な施策展開を進めます。

以上が、私が市民の皆様に公約しました基本理念に基づき、第2期の4年間に進めさせていただく主要施策と市政運営の方針であります。

back


ガイドへ戻る ガイドへ戻る

HOMEデータバンク平成11年 第2回 定例会〜議事録