池上典子委員の賛成の討論

 昨年12月に定年退職職員の再任用条例が可決され、それにもとづき、本年4月より27名の定年退職者が再任用されております。
 条例制定の決議後、雇用環境は益々悪化の一途をたどり、市民においても現実的に働き盛りでリストラを受ける、新卒者市民の就職がない等、大きな雇用不安が高まりを見せ、22日に実施された本市の採用試験においても32名の求人に対して、1500名を超える希望者が集まるような状況であります。

 また、社会においても、リストラをしない松下の神話まで崩れ去り、NTTまでもが正社員の子会社出向を余儀なくされるなど、この9ヶ月間の雇用状況の変化は著しいものがあります。

 請願の趣旨にもありましたが、この制度はもともと国の年金法の改正に基づき、年金満額支給の遅れをその第1の理由として制定されたものであります。

 しかし、年金の遅れは一部、市職員であれば1人年約280万円の内、約90万円部分のみであります。
そして、枚方市職員においては、1人年平均 190万円、1人で月16万円弱の年金は満額支給の遅れがあったとしても保証されているわけです。

 15万円の収入で子どもを育てている若い市民世代もたくさんおられます。
1人当たり月16万円弱の年金を補うとして、年人件費約330万円。週4日勤務。最初の年から有給年20日。夏休み6日。健康管理休暇1日。一日7時間45分労働。このような労働条件を定年退職した職員に与えるわけです。しかもそれは、3000万円前後の退職金を受け取った後であります。

60歳を過ぎて、一人分330万円プラス190万円。これが定年退職後の市職員の優雅な老後の姿であります。
 また、行政側の厳しい採用条件とは、要約すれば「現職時代にさぼらなかった」「仕事に対してやる気がある」「健康である」など、一般社会においては当然とされることばかりであります。
 財政赤字を抱える枚方市においては、本年度は1億円弱、今後ますます膨れ上がってくるであろう再任用に係わる人件費も、市民が将来支払うべき債務として残り、職員退職手当基金も底をつく状況の中で30代・40代職員に対する職員間の食い逃げとの思いもあります。

 年金の満額支給開始が段階的に遅れ、最終的には65歳支給になるのは、職員だけではなく、市民全てが同じ条件です。この状況を視野に入れ、該当する市民に対し、受け皿となる手立てを講じることこそ行政としての使命であります。それを、満身創痍の枚方市の赤字財政の中で、まず、「自分達のみの保身を税金で確保する」この姿勢に市民の方は不信感を持っておられます。

 今回の請願を私自身は、行政に対する「市民の悲鳴」「いいかげんにしてくれ!との警告」ととらえ、対峙する一方の機関である議会に対する直訴状と考えております。

 閉鎖され、組織の保身のみを優先する市行政に対し、一般の市民と接しその声を反映する議員として、この請願の採択に対し賛成すべきと考え討論とします。


コメント:世間の声は「給料あがらん」「残業手当がでない」「リストラされた」耳に入ってくるのはそんな話ばかり。そのような中、役所の職員だけは手厚く守られている。それも、市民の税金でです。許されますか。市政に景気回復まで望まない。しかし、税を何に使うかまではしっかりやってほしい。身内だけのお手盛りは許されません。だから再任用は今やっちゃいかん。