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中司宏市長答弁の引用集
平成15年第3回定例会(9月)

日本共産党・石村議員の火葬場問題についての市長答弁 

コメント:市長としてはじめて自分の思いの丈を公式の場で述べられた、感動のスピーチでした。


中司市長

 火葬場問題につきまして、東部穂谷地区での計画変更等についてお答えいたします。

 私は、平成7念に就任した際に、いわゆる市民に好まれない施設として清掃工場と火葬場の整備という2つの課題を背負わされたわけでございますが、どちらも老朽化等のために今着手しなければ手遅れになってしまう施設でありました、私にすれば、もっと早くに本市が責任を持って整備しておくべきものだったと思いますし、特に火葬場は今の姿を予測すれば、本市として飯盛霊園の整備に参画しておくべきだったとの見解を持っております。ですから、私は、就任後まもなく飯盛霊園の火葬場への参画と寝屋川の火葬場の拡張について、それぞれ口頭ですが申し入れしましたが、いずれも断れた経過がありまして、それ以上無理だと判断いたしました。それと平行いたしまして、私が就任する4カ月前に交わされた穂谷区との火葬場整備に関する合意書にもとづきました、穂谷尾尻地区での整備を進めるべく、問いの下野助役を中心に、当時の穂谷区長との協議に入りましたが、結局、協議が整わず断念せざるを得なくなっていたわけでございます。この穂谷区との合意書についてですが、合意書には平成元年に穂谷区に対し火葬場建設への協力を依頼したとありますが、その間、つまり、6年間協議についての何の文書も残っておらず、従ってどういう経過で合意書が交わされたのか記録もなく、その背景はつかみようもありませんし、実際、合意書が存在するだけで何ら具体的な話合いは行われていなかったと言わざるを得ないのでございます。そこで合意書に周辺環境保全整備のための土地利用について検討する必要があるとありますので、先程申しましたように一からのスタートという形で土地利用の協議に入りましたが、当時の穂谷区長が当意の条件として示された土地利用計画は、坊山という里山を丸ごと崩すものであり、里山を守ろうとする本市の環境保全計画に照らしても受け容れられるものではなく、山を削って壊す、高圧送電線の鉄塔を3基も移設するなど、概算で実に300億円という多額の費用を要することやこうした工事の事業主体、工事を含めた事業主体を穂谷地区に任せることなど、クリアーしがたい様々な条件をつけられておりまして、結局、協議が整わず、断念せざるを得ない状況となったものでございます。今から考えれば、以上のような問題を抱えてこの事業を進めていたなら、別の問題に発展していた思いをするわけでございます。

 そうしたなかで私は、当時、もう一つの課題であります清掃工場の整備に向けて、氷室尊延寺地区に再三足を運んでおりましたが、第二清掃工場への反対意見が根強い中で、特に東部氷室地区においては、穂かにも元汚泥処分地や最終処分場もあるほか、周辺には民間の産業廃棄物処理場が集中しているなど、いわゆる迷惑施設の集中する状況にたいし、厳しい意見がありました。そこで、私は、住民説明の場において、トップとしての政策判断として、氷室地区では第二清掃工場の建設を際湯煎し、火葬場は同地区では、建設しないことを名言し、そうした考えを市発行の東部だよりに掲載し、氷室地区の住民に配布・周知したところでございます。私が、そう名言したことで、やっと、第二清掃工場建設の足掛かりが出来たものと確信しておりまして、その判断は正しかったと思っております。一部に穂谷は喜んで火葬場を受け容れるといわれる方があるようですが、現地はとてもそんな状況ではありませんし、また、そんなことになれば、第二清掃工場自身もこれまで7年かけて一つ一つ自治会に理解を求めてきたことが振り出しに戻ってしまうと思っています。以上が之谷を断念した経緯であります。その後、穂かの場所の検討に入り、その中で特に平成9年には、津田サイエンスヒルズの隣接地が候補地とならないかどうか議員視察も行われたこともありましたが、結局、同地も緑地としての指定がありまして、条件に合わないために具体化を断念した経過があります。そうしたなかで、移転表明されました関西外大の跡地においては、緑に囲まれ周辺環境と調和した施設整備ができることから計画を始めたものでありまして、当初は、敷地のうち楠中線より西側の計画でしたが、周辺自治会の内2つの自治会が市の計画を応諾される際の条件として、跡地の東側のグラウンド部分も含めて全面整備の要望を出されましたので、その要望にそって全面整備の決断をさせていただきました。当該計画は国において創設された本市に有利な防災公園街区整備事業の手法を活用することによりまして、火葬場は元より、都市計画道路・楠葉中宮線の整備、中央図書館の整備、生涯学習の支援、地域活性化の支援、そして防災公園や防災拠点の整備など、本市の課題の多くが一挙に解決できることから庁内で協議を重ねた上、決断したものであります。特に、防災公園につきましては、本市の災害時の避難所面積が全国平均に較べ極端に低く、東南海、南海地震がいつ起こるか分からないなかで、この機会を捕えて市の中央部に防災公園や防災センターなど防災拠点を整備することは安全安心なまちづくりを掲げる本紙のまちづくりにおいて、必要性・緊急性の高い事業だと考えています。火葬場につきましては、65歳以上となられるかたが、毎年数千人単位で増えつづけるなど、市民の高齢化が進むに当たって、緊急の課題でありまして、将来のピーク時には市内の年間の死亡者数が5500人を超えると推計されております。今、本市で対応出来ないところを他市にお願いしておりますけども、他市も同様に高齢化が進むために、いずれ他市でも受け入れてもらえない状況が必ずやって来ることから、何としても整備しなくてはならないと考えております。私は、福祉先進都市の枚方で安心して生をまっとうすることが出来ない状況をつくってはならないと思っておりまして、市民が本市を終の住処とされ、お亡くなりになった方々を丁重にお弔いし、本市で生を全うしていただくことも、大きく見て本市の福祉行政の務めであると考えています。私としては、日本一古いと言われています、しかも、翌日骨揚げの古い施設の象徴であるあの煙突をなくし、新しく整備していきたい、こういう思いを持っておりまして、この事業を逃したら現火葬場をそのまま使用していかなければならないのと同時に、本市では火葬場はもう出来なくなるのではないかと危惧しております。従いまして、先程申しましたように50年、片鉾にお願いしてきた訳でありますので、反対される気持ちもいたく受け止めておりますが、最大限理解を求めて努力してまいりますのでよろしくお願いします。

 


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